楽曲制作の依頼の方法と
クリエイターへの伝え方とテンプレート
この記事は「オリジナル曲を作りたいけれど、どうやって依頼すればいいのかわからない」「イメージ通りにならなかったらどうしよう」と思った人へ参考にしていただきたい記事です。
楽曲制作は、あなたの脳内にある「抽象的なイメージ」をクリエイターがヒアリングして「音」として具現化する必要があります。
実は依頼に音楽の専門知識は全く必要ありません。「伝え方のコツ」と「流れの理解」だけです。
本記事では、業界の制作の流れを記載しています。また、コピペで使える依頼テンプレートを公開します。
目次
まずは「熱量」と「条件」を共有する
最初のコンタクトです。ここでのゴールは、クリエイターに「何を作りたいか」を伝え、見積もりとスケジュールを確定させることです。(例:VTuberの歌枠やBGM同人ゲームの主題歌)
「専門用語がわからないから不安……」という方も安心してください。「キラキラした感じ」「重低音でドゥーンとさせたい」といった擬音や抽象的な言葉でも、クリエーターはニュアンスを汲み取ってくれます。
逆に、「予算」と「納期」だけは具体的であればあるほど、話がスムーズに進みます。
特定のクリエーター個人に依頼したい場合についても同様の手順で進めるとよいです。
またVTuber様や歌い手様で、ご自宅で歌のレコーディングをして曲に組み込みたい時には、この時点でお伝え頂けるとよいです。
- 使用用途: YouTube、ライブ、ゲームなど、どこで流れるか?
- 参考曲(リファレンス): 言葉より参考曲の方がイメージが伝わりやすい。(2~5曲)
- NG要素: 「バラードはNG」「ギターは入れないで」などの禁止事項。
- 納品形式: パラ,ステム音源データ(楽器ごと)を所望の場合はここで伝えてください。
「キック(足ドラム)」「スネア」「ベース」「ボーカル」というように、楽器ごとの音をバラバラに書き出したデータのことです。
通常の2mix(完成した1本の音源)とは違い、後から別のエンジニアがミックスし直したり、ライブ演奏時に特定の音だけを抜いたりするために使用します。
曲の「設計図」をチェックする最重要フェーズ
ヒアリングをもとに、ワンコーラス(1番まで)程度の「ラフ音源」が届きます。これは家づくりで言う「骨組み」の段階です。
この段階では、音質よりも「メロディライン」「曲のテンポ感」「全体の構成」に集中してチェックしてください。「なんか違うな?」と思ったら、遠慮せずに伝えるのが成功の鍵です。
- 大幅な変更はここで最後に: 「やっぱりジャンルを変えたい」「メロディを全部作り直して」といった大きな修正は、このフェーズを過ぎると追加料金がかかるのが一般的です。
- 具体的に伝えるコツ: 「ここが変」ではなく、「0:45〜のメロディを、もう少し高く盛り上げてほしい」と秒数指定で伝えると確実です。
テレビCMや動画でよく聞くあの音に仕上げます。
ラフでOKが出たら、いよいよ本制作です。伴奏の楽器を増やして豪華にし(アレンジ)、各楽器の音量バランスや音色を整えます(ミックス・マスタリング)。
ここでは、「音の質感」を仕上げていきます。「ボーカルをもっと前に出してほしい」「ドラムの迫力を増してほしい」といった要望は、この段階で調整します。
最後に音圧(音の大きさ)を上げ、スマホのスピーカーからクラブの巨大スピーカーまで、どんな環境でも綺麗に聴こえるように整える作業です。これにより「プロの音」になります。
データの受け取りと確認
完成したデータが納品されます。
納品データの形式や方式はクリエーターと相談して決定するのが一般的ですが
以下のデータセットが一般的には送られてきます。
- MASTERデータ(WAV): 完成した音源。マスタリング済み。
- インスト(Instrumental)(WAV): 歌が入っていないいわゆるカラオケ音源。
- mp3データ: 確認用や、容量を軽くしたい時用。
データを受け取り、再生してノイズやミス等がないかを確認したら、「検収完了」となります。
パラ,ステム音源データ(楽器ごと)を希望の場合はMASTERデータと別のファイルが納品されます。
また、マスタリング前の音源(2mix)が納品される場合もあります。
※依頼によって流れが変動する可能性があります。
依頼前に知っておきたい「相場」と「権利」
制作料金の目安
- SE・効果音: 数千円〜3万円程度
- BGM・ループ素材: 2万円〜10万円程度
- フルサイズ楽曲(歌唱込): 5万円〜30万円以上
レコーディング込み、スタジオ代やエンジニア派遣を合わせると数十万円、
大規模な作品では100万円を超えることもあります。
その他諸経費を含めた見積を発行したい場合は作家に見積依頼をすると安心です。
※作家の知名度や修正回数、権利の買い取り有無によって変動します。
※作業時間や経費を含めた目安になります。作家によって異なります。
著作権について
原則、楽曲の著作権は制作者に帰属します。「商用利用は可能か」「YouTubeで収益化して良いか」「クレジット表記は必要か」を事前に確認しておくとトラブルを防げます。
場合によっては、権利の買い取り行うことによりより幅広く自由に使用できる可能性があります。
日本音楽著作権協会(JASRAC)は音楽の著作権を管理する団体であり、
著作者または買取先が管理登録しない限りは楽曲使用の許諾権限は制作者にあります。
一般的に、日本音楽著作権協会(JASRAC)への登録は依頼→納品の流れでは行いません。
あなたと作家で権利のありかを明白にした上、登録の有無・登録作業については別途行ってください。
【コピペOK】
クリエイターが嬉しい依頼テンプレート
依頼文に迷ったら、これを埋めて送るだけでOKです。スムーズに制作がスタートします。
■1. ご依頼名義: (活動名や団体名) ■2. 作りたい曲のイメージ: (例:疾走感のあるアニソン風、ダークで激しいクラブミュージック、等) ■3. 参考曲(リファレンス): (YouTubeのURLなど。雰囲気が近いものを1〜2曲) ■4. 現在の状況・相談事項: (例:予算は〇〇円ほどで考えていますが可能でしょうか? / 納期が来月末と短いのですが……等)
■1. ご依頼名義・プロジェクト名: ■2. 使用用途: (例:VTuber配信OP、オリジナル曲として販売、イベント入場曲) ■3. 希望納期: (例:202X年〇月〇日までに完パケ希望) ■4. ご予算: ■5. 楽曲構成: (例:フルサイズ / ワンコーラス / ループ素材) ■6. 楽曲イメージ・参考曲URL: (URL: ) (テンポ感:BPM130くらい / 早め / ゆったり) ■7. 納品希望データ: (例:2mix wav, インスト, パラデータ) ■8. その他備考: (クレジット表記の可否など)
失敗しないための4つのコツ
1. 参考曲は「URL」で送る
「激しい曲」という言葉一つでも、ロックなのかEDMなのか、人によって想像する音は違います。YouTube等のURLを送ることで、脳内のイメージを最短距離で共有できます。
2. NGリストを先に提示
「ピアノの音は使わないでほしい」「転調はさせないで」といった、プロジェクトのNGを最初に伝えておくと、修正の手間が激減します。
3. 納品形式を事前に精査する
マスタリング前(音圧を上げる前)のデータが必要か、キー変更したカラオケが必要かなど、そのプロジェクトに必要な音源を事前に確定させておくと非常にスムーズです。
4. 納期には「バッファ」を
ギリギリの納期だと、修正の時間が取れず、クオリティを妥協することになりかねません。使用日の2〜3ヶ月前には依頼すると、余裕を持って最高のものを作れます。